富士経済は、「急成長する中国新興ロボット関連プレーヤーの最新動向調査」をまとめ、中国の産業用ロボットの市場調査結果を発表した。
グローバル市場において、産業ロボットの最大の需要地となっている中国市場は、2018年後半から設備投資の抑制などの影響により伸びが鈍化。18年の市場は3705億円となったが、19年後半は設備投資の回復による伸びが期待され、25年の市場は18年比2.7倍の9838億円と予測している。
中国の産業ロボット市場は、主に自動車の製造に使用される溶接・塗装系が市場をけん引してきたが、人手不足や人件費の高騰を背景に、近年は組立・搬送系が伸びている。
19年は米中貿易摩擦の影響緩和が期待され、人手不足などの自動化ニーズにより今後の伸びが予想され、スカラロボットや小型垂直多関節ロボットなどの伸長が市場拡大をけん引するとみられる。溶接・塗装系も、19年以降はEV向けなどの設備投資の増強を背景に、堅調な需要が予想される。
クリーン搬送系のガラス基板搬送ロボットは、FPDの供給過多や、有機ELの低コスト化が進展していないことから、市場の本格的な回復は21年以降になるとみられる。ウエハー搬送ロボットは、19年末ごろから需要の回復が見込まれる。
中国は、国家主導による中国メーカー・部材メーカーの育成なども進んでいる。市場拡大に伴い、大手メーカーに限らず中小も含めた様々なメーカーが実績を伸ばしており、今後は新旧ロボットメーカーのシェア構造の変化が想定される。