光洋電子工業(無錫)梁川技術総監に聞く、中国市場への取り組み

ニーズ聞き需要拾う

世界の工場の中国。経済の急成長によって人件費高騰や単純労働者の不足が顕著になり、その解決策として自動化が急速に進んでいる。中国市場の現状と取り組みについて、光洋電子工業(無錫)の梁川敏技術総監に聞いた。

光洋電子工業(無錫)梁川敏 技術総監

 

–中国の市況について

中国は人件費が高騰し、昔よりも人材募集が難しくなり、工場の仕組みを変えなければいけない状況になっている。それでも中国のチャレンジ精神は旺盛で、自動化需要が盛り上がっている。これまでは自動車中心だったが、電子機器業界も元気が良い。アプリケーションも、ロボットも溶接や搬送に加え、組み立て用途に採用され、倉庫内物流も自動化されている。少し前は自動化や省人化、効率化に対する設備投資に国からの奨励金が支給されたが、最近は大きなプロジェクト以外は対象になっていない。それに対し、国の奨励金ほどではないが、地方の市、区政府からの支給が多くなりつつあり、全体としては、工場の自動化・情報化、自動化ソリューション等のビジネスチャンスは広がっている。

中国市場はプラス成長ではあるが、減速はしている。FA関連は2018年上期まではよかったが、下期が厳しくなった。2019年に入り、いつ景気が戻るかの見方はいろいろあるが、当初、夏までは下がり、そこから上がっていくと推測していた。しかし、米中貿易摩擦の長期化および半導体市況の冷え込みの影響で、先々不透明な状況が続くと見ている。

中国は広く、国全体はアンバランスの状態。海に近い地域は発展し、自動化も進んでいる。内陸部から西は沿岸部に比べると政策や経済、自動化レベルでは差がある。しかし追いつきたいという意志は強い。中国は一度決めたら一気に実行する強さがあり、いまは国全体で経済成長をしようという意識になっている。

 

–御社の状況は?

エンコーダは好調だ。日本で開発した製品をベースに、現地で仕様をアレンジした機種がヒットした。PLCも日本の標準品をベースに現地のニーズに合った製品開発を行い、市場に受け入れられた。製品開発は現地のニーズを聞いて潜在的な需要を拾っていくことが大切だ。

 

–今後について

3月の広州国際工業自動化技術及装備展覧会(SIAF)では、既存設備に外付けで配線するだけで稼働状況やサイクルタイム等のデータを収集できる「ポン付BOX」や、温度や振動の状態を常時監視し見える化できる「OnSinSensor」のシステムデモが好評だった。これまでは各製品の単品での販売が中心だったが、これからは遠隔監視やネットワークなどシステム化、ソリューションに力を入れる。

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