富士電機は、第7世代「Xシリーズ」IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュールの系列を拡大し、1700V耐圧製品のサンプル出荷を開始した。
IGBTモジュールは、モーター駆動用インバータ、無停電電源装置、風力・太陽光発電設備用パワーコンディショナーなどの産業用機器に搭載され、省エネや電力の安定供給を担うキーデバイス。産業向けIGBTモジュールの市場規模は2018年に約3500億円となり、以降は年率3.5%の成長が予測されているという。
同社ではこれまで同モジュールの650Vと1200V耐圧製品を発売しているが、今回、大規模風力発電市場をターゲットに、1700V耐圧製品をラインアップ、さらなる拡販を図るとしている。
新製品は、IGBTやFWD素子の厚みを薄くし、さらに素子の表面構造を微細化しており、従来製品(第6世代Vシリーズ)と比べてインバータ動作時の電力損失を約10%低減。また、新たに開発した絶縁基板を適用し、モジュールの放熱性を向上。
電力損失の低減と併せて発熱を抑制し、連続動作時の最大保証温度を従来の150℃から175℃にし、搭載機器のサイズはそのままに出力電流を最大30%増やすことが可能になった。