矢野経済研究所の調査によると、小型・精密減速機の世界市場(メーカー出荷数量ベース)は、2018年はロボットや各種工作機械用の減速機需要の好調を受け、前年比17.5%増の403万台と推計。
しかし、18年後半から需要が急激に減少し、19年前半も同様に経過。下半期は受注が若干持ち直すと予測され、19年の小型・精密減速機世界市場は前年比10.7%減の360万台になると見込んでいる。
ロボットの関節や各種工作機械など産業機械駆動部の制御用モーターに利用される小型・精密減速機は、波動歯車減速機やサイクロイド減速機、RV減速機などが該当する。
通常、半年から1年ほど先の需要が見通せる市場だが、多くの減速機メーカーが増産体制構築に動いた矢先、需要にブレーキがかかった状態となったため、在庫分を考慮するとこの先の市況回復時期の市場状況を予測するのは難しいとされている。
ただ、今回の需要減は一過性のもので、小型・精密減速機の本来のポテンシャルを考慮すると、20年以降は回復が進む見通しとなっている。17年から20年までのCAGRは9.28%で成長、21年は489万台になると予測している。