三菱電機は、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)など、次世代半導体材料の放電スライス加工を実用化したマルチワイヤ放電スライス加工機「DS1000」を11月1日に発売する。
新製品は、同社独自のマルチワイヤ放電スライス技術「D-SLICE」の搭載によって、高硬度なSiCや高脆性なGaNなどの放電スライス加工の実用化を可能にしている。
新開発の「マルチワイヤ放電制御」により、次世代半導体材料を同時に20枚スライスでき、ワイヤの間隔を最小600μmで周回可能で、素材の有効活用率を従来比20%向上させている。さらに、非接触加工によって、材料割れや表面のダメージを抑制し、歩留まりを従来比40%改善。
また、「マルチ放電加工電源」は、並列する各ワイヤへの給電部を独立させ、同時に均一なエネルギーを供給・放電することで、加工速度が従来比60%向上。直径0.1ミリの細いワイヤ電極線も断線することなく、ダイヤモンド砥粒を使用しない安価なワイヤの採用によって、ランニングコストを従来比80%削減。