横河電機は、特殊化学品メーカーのEvonik社が主導するパイロットプロジェクトで、シーメンスやEvonik社などとの協業により、商用産業環境で初となるモジュール・タイプ・パッケージ(MTP)規格を利用した。
現在の化学業界は、生産の柔軟性の拡大、市場投入までの時間の短縮などの課題を抱えており、これらに対応するため、ドイツのプロセス業界オートメーションシステムユーザー団体のNAMURにより、適応性のあるモジュール型プラントにおける通信と接続の問題を解決するMTPが開発された。
MTPは、プロセスモジュールまたはパッケージユニットについて標準化された仕様を提示し、オートメーションシステムの効率的な導入や、時間と資金の節約を可能にする。
今回、このMTPを利用し、Evonik社の生産プラントに冷却装置パッケージを導入。横河電機が開発したMTPインポートツールによって、シーメンスのPLCに横河電機の統合生産制御システム(DCS)の接続を実現。冷却プロセスをPLCでシミュレーションして、その状況をDCSのMTP操作画面で監視が可能となった。その後、Evonik社の生産現場でコミッショニングを実施し、MTP規格の実用的な利点を実証したとしている。