自動化への潮流に期待
世界的な景気減速により、工作機械やロボットなど産業機械をはじめ、制御機器も苦戦が続く。
米中貿易摩擦による中国の景気減退が大きく影響しているが、長期的に見れば世界的な自動化、IoT化への関心・需要は依然根強く、ここが我慢のしどころとなる。
JEMA 中国とアジアに停滞感
日本電機工業会(JEMA、長榮周作会長)は、2019年第2四半期と上期(4-9月)、9月度の産業用汎用電気機器の出荷実績を公表した。
第2四半期の出荷額合計は2066億円で前期比で5%増、前年同期比7%減となった。上期の出荷合計は4031億円、前期比で7.5%減、前年同月比でも8.2%減となった。米中貿易摩擦の影響により、中国などアジアの設備投資の停滞感がいまだに続いている。
9月度の出荷実績は741億円(前年同月比1.3%減)となり、16カ月連続の前年同月比減少となった。回転・駆動機器は250億円(同8.8%減)で14カ月連続の減少。サーボモータは半導体・FPD製造装置向けの減速を受け、16カ月連続の減少。三相誘導電動機、汎用インバータも前年同期比割れとなった。配電制御機器は321億円(同1.0%減)で前年並みを維持した。
NECA 5大品目全て前期超え
日本電気制御機器工業会(NECA、尾武宗紀会長)は、2019年度第2四半期の電気制御機器の年間出荷統計をまとめた。出荷総額と5大品目全てで前期比100%を超え、ここが下げ止まりになるか正念場だ。
出荷総額は、前期比4.2%(66.2億円)増の1649.7億円となり、3期ぶりに100%を超えた。前年同期比では7%減となり、6期連続で100%割れとなり、依然厳しい状況が続く。
大品目別では、前期比は5大品目全てで100%を超えた。操作用スイッチは2期連続で、検出用スイッチは5期ぶり、制御用リレー、PLC・FAシステム機器、制御用専用機器は3期ぶりに100%を超えた。
国内出荷額は993.3億円。前期比は3.9%(37.5億円)増となり、3期ぶりに100%を超え、輸出出荷額は656.4億円で前期比は4.6%(28.7億円)増となり、9期ぶりに前期を上回った。仕向先別では、北米、ヨーロッパ、アジア・太平洋で前期を上回り、ヨーロッパは2期連続、北米は5期ぶり、アジア・太平洋は4期ぶりに100%を超えた。
▼NECA 2019年度第2四半期出荷統計