IT×OTで生産性アップ
11月27日から3日間、東京ビッグサイトで2年に一度の計測・制御技術、さらにはスマートファクトリー構築に向けた要素技術の専門展示会「IIFES」が開幕した。
今回は過去最大規模で、国が掲げる未来の産業の形、コネクテッドインダストリーズを具現化するための技術が展開されている。
過去最大の規模
前回2017年は、製造業のなかでIoTへの理解度が高まり、国がコネクテッドインダストリーズを策定した時期にあたり、同展のテーマは「IoTで未来を拓くものづくり新時代」だった。出展各社もIoTを活用したものづくり基盤をリリースし、自社の方向性を示し、三菱電機のe-F@ctoryを筆頭に、安川電機のi3-Mechatronics、オムロンのi-BELTなどが出そろった。またITとOTの融合が本格的に叫ばれるようになったのもこの時期でフィールドとエッジ層の新たな潮流としてEdgecrossやIOーLinkに注目が集まった。
そこから2年がたち、製品や技術が出そろうなかで今回は、より具体的に工場全体を高度化する取り組み、AIを使った知能化や自律化への筋道を示し、個別最適から全体最適、つながる世界に向けた展示が目立っている。
主要企業が掲げるテーマと出展内容について、三菱電機は「この先のモノづくりへ。三菱電機のスマートファクトリー」をテーマに、e-F@ctoryを核にして最新のFA機器を出展する。スマートウォッチの部材投入から出荷までを自動化した生産デモラインを設け、スマートファクトリーの姿を提案する。また来場できない人や閉幕後の情報提供のため、今回初めて会場の様子をYoutubeで配信する。
横河電機は「デジタルトランスフォーメーションで、つないで、共創る(つくる)、お客様ビジネス価値の最大化」をテーマとして、「つながる」をキーワードとした提案を行う。バリューチェーン、ファクトリー、サプライチェーンをスマート化してつなぎ、現場の生産情報を収集・解析して改善サイクルを回す姿を展示する。
東芝インフラシステムズは「変わる、応える ものづくり」をテーマとし、「止まらない工場」の実現に向けた提案を強化。エッジリッチな産業用コンピュータ・コントローラを中心に、産業用リチウムイオン二次電池SCiB、制御セキュリティなどを紹介する。
アズビルは「生産性改革で、人は“より創造的な世界”へ」をテーマに、スマートIoT技術と同社の得意領域である計測と制御技術を融合させたソリューションを展示する。ものづくりDXとしてAI等の先端技術を使って生産性を飛躍的に高める「ものづくり自律化システム」コンセプトなどを紹介する。
IDECは、最も強い領域である安全技術の提案と、いま力を入れているPush-in接続方式を使った新製品、HMIなどの新製品を紹介。パナソニックは「あなたの『ちょうどいい!』に応える」をコンセプトに、新型モーションセンサをはじめ、レーザーマーカーと透過型デジタル変位センサの新製品を展示する。
フエニックス・コンタクトは「つながり」を進化させるソリューションとして、1つで縦横取付に対応した小型コネクタ端子台や、IO-Link対応セーフティリレーとドアスイッチを使ったIoTデモ等を行う。
オムロンは自らが提唱する「i-Automation」の超進化を中心に、5Gやロボットなどを展示し、超先端技術を活用してモノづくりを革新する人と機械との新たな関係を提案するとしている。