IMV(大阪市西淀川区)は、地震計のISO(国際標準規格)制定に向けたタスクフォースの統括機関に選定され、活動開始した。
地震が各方面に及ぼす影響は計り知れないが、その震度を測定する地震計測に関する世界的な基準は制定されておらず、各国ばらばらであるのが実状。
地震計の規格は、米国では地質調査をする所がやっており、シェルガスの採掘や核実験といった個別機関の仕様に基づいて行っている。日本では気象庁が緊急地震速報などで測定しているが、エレベーターは独自の昇降機技術基準で測定するなど、国のなかでも異なっている。
そこで、世界で不統一な地震計測に関する基準策定が急務だとして、この分野の技術開発でトップを行く日本が中心となり、地震計のISO国際標準化に取り組むことが決まった。
IMVは振動計測・分析のパイオニアメーカーとして、国内外で多くの実績を有していることが評価され、タスクフォースの統括機関に選定されたもの。
ISO制定に向けて、2019年度から調査委託助成活動を開始し、TC268へ参加しながら国内の意見集約を進めていく。最終的に2022年を目標にISOの規格化制定を目指す。
地震の揺れ度合いで工場設備の保守点検状況などが変わってくる。工場をはじめ、上下水道、交通、通信などの社会インフラの点からもISO規格に準拠した地震計を設置することで、国際標準に基づいた比較・対策が可能になる。
IMVでは、地震計のISO制定に向けた活動を進めることで、品質のISO9000や環境の14001と同様、社会的な影響力を高め、振動計測事業の飛躍にもつなげていく。