さあ、「IIFES」の開幕だ。製造業界にデジタル化の波が押し寄せるなか、それを支える中核技術となる計測・制御技術も大きく変わっている。業界全体で旧態然とした仕組みを見直し、変えるところは変えないといけない時期に来ている。
今回から名称を変更し、再スタートを切るIIFES。自ら率先して変わる姿勢を示し、これが令和の時代、新しいデジタル時代の日本の製造業の出発地点としたい。
思えば、機器や装置のコントロールを中心に制御技術を中心とした「SCF(システムコントロールフェア)」と、センサやプロセス制御などの計測・制御を扱う「計測展TOKYO」が、同一会場で同時開催となったのが2013年。17年には事務局を一本化して合同開催の「SCF・計測展」となり、今回の名称変更にいたった。
ここ10年の製造業は、インダストリー4.0やIoT、第4次産業革命が新たな概念や方向性として登場し、ITとOTの融合の気運が一気に高まったと同時に、変化の必要性が求められた時期にあたる。今の時代を幕末に、インダストリー4.0やIoT、AI等の先進技術を黒船に例えた人もいた。そのかいあって、確実に日本の製造業は変わり始めている。
それでも世界の環境の変化、労働力不足など日本国内の変化はもっと激しい。もっと変化にスピード感とダイナミズムが必要だ。
制御技術は装置や機械の頭脳をつかさどる。IIFESでは、それら制御技術の専門企業が未来の製造業、工場や製造業の将来の形を提案し、最先端のコントロール技術を見せてくれる。さらにIoT、AIといったIT技術とOTの技術をかけ合わせたソリューションも見ることができる。
IoTやAIを目玉にしたイベントはたくさんあるが、IIFESほどリアルな工場や製造現場に根ざしたものはない。今回は出展企業数も小間数も過去最大規模で行われる。これに合わせて多くの企業が新しい技術を数多く発表し、話題は豊富だ。
来場した人はぜひ見学を楽しんで、来場できなかった人もぜひ出展企業に会場の様子や新技術を問い合わせてほしい。ここが変化の出発点だ。