IPGフォトニクスジャパン(横浜市港北区)は、ファイバーレーザーのパイオニアメーカーとして品ぞろえを強化するとともに、電機・電子分野市場の開拓にも取り組みを強めている。12月4日から開催の「Photonix2019」(幕張メッセ)にも出展し、高性能ファイバーレーザー製品群を展示する。
レーザーを使った加工は、作業者による出来上がり品質に個人差が少ないことから技術伝承がしやすく、しかも作業周囲環境による加工製品へ与える影響も抑えられることから、生産の自動化に向いた方法として、利用機会が増加している。
同社は専門メーカーとして、CW発振タイプとパルス発振タイプの2つのファイバーレーザーをそろえている。
CW発振タイプでは、切断加工の穴あけ時に出力能力以上にパワーを上げられるハイパワーピーク機能をオプションとして追加。穴あけ作業時間が短縮可能、リードインが未比較できるため生産性向上に寄与。
また、Uシリーズはファイバーレーザー本体の設置面積も従来サイズの約半分と、業界最小サイズを実現。作業現場への導入が容易になっている。
さらに、ビーム形状可変機能付きファイバーレーザーは、レーザー溶接時に発生するスパッタを低減できる同社独自のビーム「AMB(アジャスタブルモードビーム)」を採用、高品質な切断を実現している。しかも、溶接する材質に応じて、リングやセントラルなどのレーザービーム形状を変えることができる。
一方、パルス発振タイプでは、超短パルスファイバーレーザーに加え、UV(紫外)採用のファイバーレーザーも品ぞろえを強化する。現在の50Wクラスに加え、2020年夏ごろには同社としては初の100Wクラスの発売を予定している。UVは短波長であることから微細加工が可能になり、また非熱加工であることから素材へのダメージが少ない。
同社では、自動車部品分野に加え、電機・電子部品分野向けにこうしたファイバーレーザーの拡販を進めていく方針。