未来の「MONODZUKURI」体感
日本電機工業会(JEMA)、日本電気制御機器工業会(NECA)、日本電気計測工業会(JEMIMA)の3工業会が主催する、オートメーションと計測の先端技術総合展「IIFES(アイアイフェス)2019」が、11月27日(水)~29日(金)、東京ビッグサイト(西1~4ホール、アトリウム)で開催される。
「MONODZUKURI」「人材」「グローバル」の3つを軸に、最新の製品や技術の展示、さまざまなセッション・セミナーのほか、企画も多数用意されている。
開場時間は10時~17時、入場料は1000円(Webでの事前登録者、招待券持参者、学生は無料)。同時開催展の「新価値創造展2019(第15回中小企業総合展東京)」(南1・2ホール)と相互入場が可能。
過去最多279社出展、1112小間
IIFESは、2017年まで隔年で開催されてきたファクトリーオートメーションの総合展「システムコントロールフェア(SCF)」と、国内最大級の計測と制御の専門展示会「計測展」の展示会名称を変更し、19年から新たなスタートを切ったオートメーションと計測の先端技術総合展。
SCFと計測展は、来場者が最新動向を包括的に把握できるようにと13年から同一会場で同時開催を始め、15年は会場規模を拡大、17年には展示会テーマを一本化して合同開催し、19年はさらに進化して、一つの展示会として名称変更を行った。
新名称のIIFESは、「Innovative Industry Fair for E x E Solutions」の略で、Innovative Industry Fairは、先進性や創造性に富んだ産業展示会であることとし、E x E Solutionsの“E”は、Electrical、Electronic、Engineeringといった電機・計測、工業を連想する言葉を意味している。“x”はEで表される関連分野の技術がシナジー効果を起こす姿を表現し、新たな価値づくりにつながる策(Solutions)が得られることを表している。
同展は「日本発、MONODZUKURIが世界を加速する。」をテーマに、「ものづくり」と「デジタルテクノロジー」を掛け合わせて進化した、日本発「ものづくり」の最先端技術を発信し、ものづくり産業を盛り上げていくことを目的としている。匠の技やカイゼン、高い品質、人の情熱やノウハウといった日本のものづくりを進化させ、自動化、IoT、ビッグデータ、AIなどの最先端デジタルテクノロジーを盛り込んだ「MONODZUKURI」として世界に発信する。
オートメーションと計測は、モノを制御して動かし、動きや量を計測して、またそれらを制御するという三位一体の技術で産業の中核をなすものであり、同展は電機・計測産業を核とする産業界の最先端技術や情報が集結する。
出展社数は、前回比28%増で過去最多の279社・団体、出展小間数は17%増の1112小間となり、同展で新製品や新技術の発表を予定している企業も多く、盛況は必至となっている。出展規模と会場の拡大に伴い、来場者数は6万人を見込んでいる。
見どころ満載の企画展示
出展ブース以外にも見どころは満載で、さまざまな企画が用意されている。
主催者特別展示は、「Connected Industriesの現状と未来」と題し、アトリウムで現状のユースケースの紹介やその先につながる近未来を予測。バリューチェーンにおけるサプライヤ、工場、物流に焦点をあて、動画とパネル展示で紹介する。
主催3工業会連携企画は、「電機・計測業界が描くMONODZUKURIの未来像と5Gの可能性」をテーマに、パネルディスカッションを実施(27日12時30分~14時、会議棟1階)。各工業会における具体的な検討内容の紹介や、「ローカル5G」の登場で期待が高まる5Gの可能性も交え、MONODZUKURIの今後の展望について議論する。アトリウムでは、パネルディスカッションの内容を含め、各工業会の最新の活動状況を紹介するパネル展示を行う。
中堅・中小製造業IoTパークでは、IoTデバイス、プラットフォーム、AIの3つのカテゴリーで、ユニークな事例をもつ11社が出展し、IoTを活用するユースケースを紹介。アトリウムステージでは連日、出展者が事例を紹介するプレゼンテーションが行われる。
オープンネットワークゾーンでは、産業用ネットワークの11団体が集結し、最新の機器・技術動向・サービスをワンストップで紹介。西2ホールの同ゾーン内に設置した特設シアター会場では、産業用ネットワークをわかりやすく解説するセミナーを連日行う。
学生応援企画は、「学生向け業界研究企画」として、ジャーナリストによる業界研究セミナー、展示スペースを案内する業界探訪ツアー、交流会を通しで実施する。また、大学・高専と産業界の交流の場として毎回好評の「大学・高専テクニカルアカデミー研究発表」もアトリウムで実施。今回は過去最大の22研究室が参加し、FAと計測・制御技術をメインに、関連するIoT・AI・ロボットなどのテーマで発表を行う。
セッション・セミナー105本開催
会期中は、あらゆる産業・技術分野に向けた105本のセッション・セミナーを用意。「MONODZUKURI」「人材」「グローバル」の3つのテーマを軸に、最新の技術・動向・情報を発信する。
27日は、三菱電機FAシステム事業本部名古屋製作所の都築貴之副所長が登壇するKeynoteセッションを実施。「『DX』×『e-F@ctory』
加速する、ものづくりトランスフォーメーション」と題して、同社独自のソリューション「e-F@ctory」により変革するものづくりの将来像、デジタルテクノロジーを活用した最新事例を紹介する。テーマセッションでは、JEMA「製造業2030」、NECA「5ZEROマニュファクチャリング」、JEMIMA「IoTイノベーション推進委員会」の活動状況の紹介や、5Gをキーワードに電機・計測機器を活用した「MONOZDUKURI」の将来像と展望について討論が行われる。このほか、アズビルやオムロンによるスポンサードセッション、NECA制御機器技術セミナー、JEIMIMA委員会セミナー、エグゼクティブセミナーなどを実施。
28日は、クボタ特別技術顧問の飯田聡工学博士による「クボタの目指すスマート農業」と、アマゾンウェブサービスジャパンエバンジェリスト亀田治伸氏による「ITの進化、そしてそれを支えるクラウドがものづくりと一緒に歩む道」と題したKeynoteセッションを実施。テーマセッションは、経済産業省による「制御システムセキュリティセミナー」や、産業技術総合研究所による「オープンイノベーション拠点TIAの取り組みと人材育成活動」、スポンサードセッションでは、東芝、東芝インフラシステムズ、日本マイクロソフトなどが登壇する。
29日は、中国科技自動化アライアンスによるSIAF特別セッション「中国のスマート製造におけるAI/ビッグデータ/IIoTのメガトレンドとアプリケーション」や、世界ものづくりフォーラムを実施。日本・ドイツ・米国の政府の取り組みやビジョンを紹介するとともに、各国を代表する企業がものづくりの最新動向とユースケースを紹介する。また、JEMA委員会セミナーでは「製造業2030セミナー~MONODZUKURIを変える、つなげる、創る~」、NECAセミナーは「制御機器の模倣対策セミナー」など、JEMIMA委員会セミナーは「JEMIMAにおけるIoTへの取組みと課題」などを実施する。