オムロンは、T型回路構造を採用したMOS FETリレーモジュール「G3VM-21MT」を、12月2日から全世界で販売開始した。
半導体試験装置で、高精度な測定を行う箇所には従来、接点式のリードリレーが用いられていたが、漏れ電流が少ない一方で接点の磨耗や荒れにより徐々に検査精度が低下するため、定期的に交換する必要があった。こうした生産性の低下を回避するため、長寿命な半導体リレーの採用が求められているが、特性上、漏れ電流を抑えることは難しい現状があった。
新製品は、主に半導体の電気的な試験を行う試験装置において、計測信号の切り替えを行う機器で、小型で長寿命なMOS FETリレーの特長と、3つのMOS FETリレーで構成されるT型回路構造を採用。これにより、半導体リレーの弱点である漏れ電流を最小限に抑え、1pA以下を実現。試験装置の検査精度に影響を及ぼさない水準まで抑え、高精度での測定と試験装置のメンテナンス頻度の低減を両立する。
外形サイズは5×3.75×2.7ミリと小型で、入出力回路の複雑な配線をモジュール内部に盛り込んでおり、アプリケーションの基板上の配線を簡素化できる。