キャビネット工業会 加藤時夫 会長
新年明けましておめでとうございます。
旧年中はキャビネット工業会に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。キャビネット工業会も平成12年の発足から昨年の10月をもちまして19年目を迎えることができました。これもひとえに関係業界ならびに団体の皆様方の温かいご支援とご理解の賜物であり、深く感謝いたしております。
さて、世界経済の情勢は米中貿易摩擦の影響が続くなかで、これまでの硬直した両国の状況から、米国は通商政策に軟化の様相が見受けられ、中国は不安定な国内情勢から内需拡大の推進により減速感は徐々に緩和されると見られます。全体として概ね緩やかな成長で推移するものと思われます。
一方、国内では一昨年からの相次ぐ自然災害の影響で一進一退の動きとなり、昨年10月の消費税率引上げにより景気の悪化が懸念されましたが、軽減税率など諸施策による対応により、個人消費の大幅な低下は回避されました。また、オリンピック開催後も宿泊施設や再開発を中心とした民間設備投資の上昇傾向は継続すると見られることから、内需牽引により景気回復が継続していくものと思われます。
昨年は新天皇が即位され、元号が令和となり新たな時代がスタートしました。こうしたなか、アジア地域で初のラグビーワールドカップがわが国で開催され、多くの感動とともに力強いメッセージを残したことは国内外から高い評価が寄せられ、今年予定されるオリンピック競技大会をはじめ復興支援に力強い機運をもたらしました。
中期的な人手不足や生産性低迷への対応はAI・IoT技術の浸透とともに情報共有と次世代技術の活用による市場創出を背景としてより具体的な段階に入りました。こうした背景のなかで、企業連携の更なる進展とともに防災・減災関連をはじめ、人々の生活基盤を支えるインフラ整備や分散型エネルギーなど有効投資に対する必要性はより高まっております。
キャビネット工業会ではこうした背景の対応に関連する技術支援として、昨年から進めております鋼板及び樹脂製キャビネットの規格改定や設計・施工時の注意事項をまとめた技術資料の改定を今年予定しております。
発足から今年10月には20年の節目を迎えるにあたり新たな決意のもと、関係団体と連携して市場の要求に柔軟に対応した技術情報の提供を図り、品質の維持、向上ならびに必要となる技術基準の策定と標準化を推進してまいります。
今後とも皆様には一層のご指導、ご鞭撻を賜ることをお願い申し上げますと共に、この一年のご健康とご多幸を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。