これからの工場の進む先は知能化されたスマート工場に行き着く。富士経済の調査によると、スマート工場を構築するシステム・製品の世界市場は25年に6兆9543億円となり、18年比3.0倍になると予測。特にAIシステムは使える技術として導入が加速し、3080億円まで伸びると見込んでいる。
スマート工場の定義について、同社は多品種少量、変種変量生産に対応する知能化された柔軟性が高い工場と定義。その構成要素はIoTプラットフォームをはじめ、PLM、SCADAといったシステムに加え、産業用PC、協働ロボット、リニア搬送システム、アーム付きモバイルロボット、3Dプリンターなどのフィールド機器。さらに画像や振動、圧力、電流、温度、画像など各種センサーと、デジタルダッシュボード、AR・MRなど見える化ツール。ネットワーク関連、FAセキュリティ関連等を挙げている。
これらの市場について、19年は米中貿易摩擦の影響で景気の減速感があるものの、スマート工場化に対する意識は高まっており、既存生産ラインの見える化やIT化が進み、市場は前年以上の伸びを見込んでいる。
AIシステムについて、19年は700億円、25年には3080億円(18年比5.6倍)となる見込み。ロボットアームを搭載したAGVは、19年は100億円、25年は295億円(同3.5倍)と予測。AR・MRは点検作業の遠隔支援のほか、海外ではピッキング作業や医療現場の遠隔支援などで採用が進んでおり、19年は53億円、25年は185億円(同4.3倍)に拡大すると見込まれている。