本多通信工業 佐谷紳一郎 代表取締役社長
2018、19年と取り巻く環境は厳しい状況が継続しているが、20年は5Gを全方位で幅広く取り込み、再成長の転換点の年として取り組む。
Society5.0やコネクテッドインダストリーズといった新しい社会の実現に向かう中で、今年は「5G元年」の年と位置づけ、生活全般に5Gの高速・大容量、低遅延、多接続といった特徴が及ぼす効果により、少しずつ変革していく様子が実感できる楽しみな1年となりそうだ。
車載用では、CASEの進化に向けて、次世代センシングカメラ用コネクタの量産化を始めており、また、耐ノイズ性の高い6Gbpsモデルの案件も具体化してきている。今後、様々なモビリティにも展開していきたい。情報システムは、5Gに喚起されてデータセンタなどを活用したAI、IoT関連需要が生まれることで、セキュリティ対策投資も増加することが期待でき、成長が楽しみな事業である。
業務用では、5Gに絡み、データセンタや基地局向けでの光コネクタ、4K・8Kの高精細画像データを従来の3倍の速度で読み書きできるSDソケットなどが期待できる。FAでも「ファスト・カスタマイズ」のキャッチフレーズのもと、中少量のカスタムニーズに対応できる開発・生産体制確立に取り組んでいる。中少量への対応は敬遠される傾向が強いが、当社の有する部品、金型、治工具などのインフラをフル活用して、顧客の多様なニーズに対応する。
また、長期間供給するといったサービス的要素を付加して提供することで、お客様の信頼を獲得していきたい。
中期経営計画「GC20」の推進に取り組んできたが、この計画を2年、後に倒して22年に売上高270億円、営業利益32億円を目指す。20年は5Gを再成長へのブースターとしてスタートする考えだ。