東芝インフラシステムズ 岡庭文彦 計装・制御システム 技師長
当計装機器事業部門では、産業用コンピュータ、産業用コントローラ、センサ、圧延ライン特殊計測器の4事業を統括している。東芝グループは「東芝Nextプラン」においてCPS(Cyber Physical System)テクノロジー企業を目指しており、当部門の製品群はフィジカルからデータを集める手段として重要な役割を担っている。
2019年は、産業用コンピュータが半導体製造装置向けに復調の兆しが見え、放送機器関連も4K・8K放送向けの需要がピークを迎え、大きく伸びた。鋼板の厚み測定等向けの特殊計測器は安定した需要を維持している。電磁流量計も横ばいで推移しており、ポートフォリオ的に安定して伸ばす点から良いバランスが取れている。
IIFESでは「止まらない工場」の実現を目指す製品・ソリューションを提案した。事業30周年を迎えた産業用コンピュータは、19年12月に小型組込み産業用コンピュータ「CP30 model300」を発売した。上位機種と同等の高い信頼性と長期供給・長期保守により各種製造装置に組み込んでエッジコンピューティングを実現する機器で、順調に引合いを頂いている。
20年発売予定のユニファイドコントローラ「VmシリーズtypeS」は自社開発のソフトPLCとリアルタイムLinuxを搭載し、産業用コントローラと産業用コンピュータを一体化することで制御と情報処理を融合。CPSでのエッジリッチコンピューティングを可能にする。
センサでは純水やスラッジ等も測れる電磁流量計と、マイクロ波濃度計ではセルロースナノファイバーなど新素材にも用途が広がっている。圧延ライン特殊計測器は高速化やX線発生器の異常予兆診断などの付加価値を高めて鉄鋼メーカーの要望に応えていく。
本年も制御システムのCPSを提供できる存在をアピールしていく。