日立産機システム 荒谷豊 取締役社長
19年度は海外市場と、国内のコンポーネンツが苦戦しているが、空気圧縮機などユーティリティやソリューションが牽引し、全体として健闘している。
なかでも好調だったのが高精度位置情報端末と決済端末、ロボットソリューションだ。高精度位置情報端末は農機の自律走行や貨物列車の安全運転の用途に採用され、当初計画の2倍を達成。決済端末は自動販売機向けで、キャッシュレス、電子マネー決済の普及に伴い受注が伸びた。
ロボットソリューションはロボットSIで溶接技術に強いKECを買収した。当社は搬送、加工、組み立て、検査を得意とし、溶接技術が加わったことで対応の幅が広がり、大型案件も受注した。
日立グループは中期経営計画で社会価値、環境価値、経済価値の向上を掲げ、当社はそれをプロダクト提供により具体化し、人手不足、安全・安心、環境にフォーカスして製品開発を行っている。IoTはすべてに共通するキーワードであり、全製品に「つながる・つなげる」機能搭載を進めている。
空気圧縮機のクラウド遠隔監視サービス「FitLiveサービス」は接続台数が国内5千台を超え、今後は他の機器への横展開を計画中。エッジコンピューティング強化に向けた産業用IoTコントローラ「HXシリーズ」は顧客の反応がとても良く、春に新製品を予定している。
20年は「グローバル、デジタルソリューション、リカーリング(循環型)ビジネス」を強化する。海外展開の加速、ロボットや自動化、IoTを活用したスマートファクトリー構築に向けたソリューション事業の強化、メンテナンスや消耗品などを通じたアフター事業の充実を進める。また日立グループのインダストリー分野のプロダクト部門としてITとOT、プロダクトの各レイヤの垂直統合によりお客様の価値向上に貢献していく。