オムロン
辻永順太 執行役員常務 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー商品事業本部長
インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーの今期業績見通しは、現状大きく変わっていない。業界単位で多少の変化を感じるが、プラスマイナスがあるため全体を捉えれば厳しい環境は継続するのではないかと考えている。今後、世界経済の影響で変わる可能性もあり、先が読みづらい状況だ。注力している4分野(自動車、デジタル、食品・日用品、インフラ)のうち、食品・日用品業界は比較的安定している。
当社の強みである業界随一の幅広い制御機器を軸に、市場やお客様のニーズに応える、独自の価値コンセプト「ⅰ-Automation!」は、16年に提唱して以来、大きな進化を遂げている。一例として制御アプリケーションソフトはこの2年間で170種類以上へと圧倒的に数が増え、誰でも扱える容易さから多くの製造現場で採用いただいている。
当社では機器・ソフトウェアの提供だけでなく、お客様に寄り添い、課題を解決する共創サービスも運用開始した。現場データ活用サービス「i-BELT」では、お客様の現場知見と、オムロンが培ったFAの知見を互いに持ち寄り、データ収集から見える化、分析、制御までを共創している。
運用開始以来、生産管理、品質管理、設備効率、エネルギーの4分野で熟練技能者不足やエネルギー消費などの課題解決に向け、AI/IoTで新たな価値を生み出してきた。昨年12月には東京・品川に世界37カ所目の「オートメーションセンタ」を開設。世界に革新的なオートメーションを発信し続け、社会課題・経営課題をお客様と共にアプリケーションで解決し、製造業のモノづくりに貢献していく場とする。
20年の景気見通しも不透明で楽観視はできないが、お客様と共に「モノづくりでイノベーションを起こす」という強い意思を込め、成長に向けて取り組んでいきたい。