WashiON共立継器 宮川昭二 取締役会長
2019年9月期の売上高は、前年度比25%増と大きく伸長した。大きく伸びた要因のひとつは、家庭用蓄電システム向けに高速電源切替装置の販売が増えたことだ。ソーラー発電などのFIT(固定価格買取制度)価格が下がる中で、家庭用では自家消費するために蓄電池に電気を貯めるところが増えており、電源切替装置の需要増につながっている。
また、IoTや5Gなどに代表される情報化が進展するなかで、ビッグデータに対応するデータセンター向けにも高速電源切替装置の販売が伸びたことも、もうひとつの大きな要因になっている。データセンターは20年も新規建設案件が多いことに加え、建設後15年ぐらいのリニューアル案件も見込めることから、継続した売り上げになりそうだ。
20年9月期はさらなる売り上げアップの計画で取り組んでいるが、受注状況は明るい感じで推移している。家庭用蓄電システム向けの高速電源切替装置は需要が継続しており、鉄道関係は鉄道車両メーカーの生産計画に即した安定した売り上げになっている。加えて中国での駅設備に向けた引き合いも出てきている。
昨年6月から営業体制を少し変え、これから市場開拓の余地が大きい東北地区に注力している。
また、今後の需要が飛躍的に増えると見込まれている蓄電池関連の顧客開拓にも重点を置いている。同時に需要が拡大している電源切替装置などの生産拡大に向け、さらなる設備投資を行っていく。
19年11月の鉄道技術展に引出形電源切換開閉器として、600A以上の機種にA電源側とB電源側の両方にバイパススイッチを装備した機種を出展した。引出方式により点検時には容易に切換器を断路させることができ、無停電で保守・点検が可能になる。今後の売り上げ貢献を期待している。