ヒルシャー・ジャパン 伊藤和仁 代表取締役
2019年12月期の売り上げは、前年並みと計画通りであった。米中貿易摩擦の影響から半導体関連のお客さまは芳しくなかったものの、新規のお客さまとの取り引きが増えつつあり、中期的には期待感は高まっている。ヒルシャーグループ全体の中でも日本法人は頑張っている。
当社は「産業用通信インターフェースとIIoTの専門マルチベンダー」として取り組んでいるが、装置メーカーを中心にこれらを活用する動きが強まっていることは当社にとっても歓迎すべき流れと言え、今後装置メーカーへのアプローチを積極的に展開していきたい。
当社は付加価値の高い、ていねいな仕事をしていくという姿勢から、お客さまとの打ち合わせを重視している。特に、最近のOTからITへの比重を高める流れが強まる中で、ITとOTを融合したトータルなソリューション提案ができる技術と製品を有している当社の特徴と強みが、引き合いの増加に繋がってきている。
19年から提案しているIO-LinkからIoTまでを統合する新産業用プラットフォーム「netFIELD」は、まさにITとOTを融合したものであり、当社のコンピテンスだ。また、「netX90」は、世界最小クラス(10ミリ角)の超小型IIoT&産業用通信SoCで、OPC UAやMQTTに対応し、セキュリテイ性も高めてIoTとの接続性を良くしたOTレベルの製品として好評を得ている。
20年は半導体関連が上向くことに期待している。今年は日本法人開設15周年を迎えるが、さらに付加価値の高い販売をできるようにするために、現在の販売店に加え、エンジニアリングパートナーを増やし、社員の増員もしていきたい。同時にドイツ本社と連携しながら日本のお客さまのニーズを汲み取った製品開発への取り組みも強化していく。