ミネベアミツミとルネサスエレクトロニクスは、ロボットやOA機器、医療・介護機器に最適なステッピングモータのソリューション開発で協業し、レゾルバ(角度センサ)付きステッピングモーターと、レゾルバモーター制御ソリューションを新開発した。これによりステッピングモータでフィードバック制御が可能となり、小型ロボットなど高精度な位置制御が求められる分野に最適なソリューションとなっている。
これまでフィードバック制御の主流はサーボモータで、センサとして光学式エンコーダが使われるのが一般的だったが、光学式なので価格が高く、振動や熱、ホコリなどが苦手という弱点があった。それに対して同製品はレゾルバ(角度センサ)を採用。レゾルバは磁気式で機械機構なので耐環境性に優れ、価格は光学式エンコーダに比べて安い。その上、分解能も20万P/Rあり、光学式と同等以上の性能を持っている。
またモータはステッピングモーターなのでもともと低速・高トルク、小型化が得意。さらに両社で共同開発したレゾルバ/デジタルコンバータ(RDC)と32ビットRXマイコンで制御するための制御ドライバソフトウエアで制御することによって脱調レス制御で従来品比2~3倍の高トルク特性、広帯域・超低速の駆動も可能。低消費電力化や低発熱、静音化や低振動も実現している。
4月に56□と42□の量産を開始し、後半から20□、25□、35□の小型モデルと、60□、71□、85□の大型モデルにも拡大する予定。またこれに先駆けて1月から開発キットとなるSDKの提供を開始する。
ターゲットとなるアプリケーションは、中小型モータで高精度な位置制御が必要とされる機器や装置。従来の複合機や業務用ミシン、監視カメラ等に加え、AGVやAMR、小型産業用ロボット、協働ロボット、サービスロボット、介護ロボットなどロボット向けに期待。サーボモータほどの高速・高精度を求めない自動機などが想定されている。