世界最大のアフターマーケット国際見本市のオートメカニカ上海(automechanika上海)が2019年12月3日から6日まで、中国・上海の国家会展中心で行われた。来場者数・出店者数ともに前回を上回り、来場者数は15万9728人(前回15万568人)、出展者数は6590社(6269社)を記録した。
今回のテーマだった「未来の自動車エコシステムはここから始まる」の通り、すでに街中を走っている自動車、これから販売される自動車のための製品・技術があふれた。さらに世界中から世界最大の自動車市場である中国を目指して企業が出展。中国国内からも多様なメーカーがブースを構え、中国の自動車ビジネスの巨大さを感じさせた。
アフターマーケットとは、自動車が販売された後の整備や修理、洗車等の自動車部品や用品に加え、タイヤやホイールをはじめとするドレスアップやチューン、カスタムパーツの市場のこと。中国は、2019年の新車販売台数は2576万台、保有台数は2.3億台(18年末)とされる世界最大の自動車市場で、アフターマーケットの市場規模は年々拡大している。
出展製品分野は、車体パーツ、電装品、カーアクセサリー、修理・検査資材、工具、整備工場用設備・検査資材、洗車用品、EVやデジタルサービス、タイヤなど。今回は特別エリアとしては電気自動車やコネクテッドカー、軽量化、MaaSといった最先端トレンドが集まったエリア「トゥモローズサービス&モビリティ」や、製造自動化技術を集めた自動車製造、サプライチェーン&チェーンストア、リマニュファクチャリングのスペシャルゾーンが開設された。
いずれの製品群も、ヨーロッパやアメリカ、日本のトップメーカー数社に対し、同様の製品を展開する中小の中国ローカルメーカーが数十社出展。ローカルメーカーの勢いと国内での競争の激しさを感じさせた。
自動車製造ゾーンでは、現地メーカーが専用自動機を展示してデモを実施。ロボットと3Dスキャナを使ってCADデータと比較する自動車部品の自動検査装置や、ブレーキパッドやフィルタ製造装置、自動車部品洗浄装置、CNC工作機械といったブースが軒を連ねた。来場者や出展者のなかには自動車製造や工場を運営している事業者も多く、多くの人が足を止めて話し込んでいた。
先端トレンドが集まった「トゥモローズサービス&モビリティ」は、安全性と車内快適性を向上させた次世代バスを展示。ミラーの死角を補うために外装にカメラやセンサを多数搭載し、運転席にはそれぞれに対応したディスプレイがあり、そこで周囲の安全を確認することができる。また座席や車内には多くのディスプレイが設置され、広告や運行案内を表示させていた。また運航管理やカーシェアなどのMaaS、軽量化やコネクティビティに関する展示も行われた。
日本からの出展者は19社・団体。デンソー、アイシン、NGK、NTN、日立化成等が単独ブースを出展したほか、山口電機工業や三和ニードルベアリングなど7社が日本パビリオンとして出展。他の各国も自国パビリオンを開設し、自国企業・技術の中国市場への売り込みを支援した。