新型コロナウイルスの震源地でもある中国。感染拡大のピークは過ぎたと言われ、企業活動も少しずつ回復。日本貿易推進機構(JETRO)によると、武漢市の企業の操業再開は3月21日以降となっているが、それ以外の地域では徐々に経済活動が戻ってきている。
広東省では、2月21日時点での売上高2000万元(約3億2000万円)超の工業企業の操業再開率は82%に達している。大手企業の華為技術(ファーウェイ)の稼働率は9割を超え、珠海格力電器は8割弱、美的集団でも7割以上まで回復し、そのサプライヤーも操業を再開して戻りつつある。
2月末には生産・操業を再開した企業が93%まで拡大し、広州市内の3000カ所の配達所も再開し、19年の集荷・配達量は70%まで回復。深セン市でも海運が88%再開し、中山港のコンテナ取扱量が70%まで達し、物流が復活してきている。
四川省でも、工業企業1万4560社のうち1万3398社が2月末までに稼働再開し、再開率は9割を超えた。成都市の物流企業も70%再開している。
中国に進出している日系企業も企業活動を再開。上海など華東地域の日系企業は、3月2日の時点で約9割が事業再開。製造拠点がある企業では7割が70%以上の稼働率に戻り、このうち3割が100%回復になるだろうと回答した。山東省の日系企業では、同じ3月2日時点で稼働率70%を超えている企業は8割に達し、10日には9割以上が回復するとしている。吉林省にある一汽トヨタ、遼寧省大連市の東風日産は2月中に工場稼働を再開している。
またビジネスへの影響と今後について、JETROは華南地域の日系企業で調査を行った。20年の収益の影響について95%以上の企業がマイナスの影響を受け、10%以上減少する見込みの企業が7割となり、減少幅は11~20%減が36%と最も多くなっている。
今後の中国でのビジネス方針は不明が76%を占め不確定だが、日本への回帰や第三国への移管の可能性については84%が予定なしと回答。現時点での中国でのビジネス縮小は限定的としている。