日本電機工業会(JEMA)は、2020年度(第69回)「電機工業技術功績者表彰」の受賞者を決めた。
20年度は、正会員会社42社から104件・279人の推薦があり、最優秀賞3件・7人、優秀賞2件・4人、優良賞17件・48人、奨励賞55件・148人の合計77件・207人が受賞した。
また、委員会活動で5件・63人の推薦があり、優秀賞1件・8人、優良賞3件・24人、奨励賞1件・31人が受賞した。
このうち、最優秀賞は、『重電部門』の「カドミウムフリー電磁開閉器の開発」で三菱電機の河合秀泰氏と堀田克輝氏、『家電部門』の「美味しい冷凍や調理時の時短・省手間を実現した家庭用冷蔵庫の開発」でパナソニックの松山真衣氏と安信淑子氏、「気流の到達先を検知し制御することで、多様化する居住空間ごとに合わせた快適性と省エネ性を向上させたエアコン霧ヶ峰FZシリーズの開発」で三菱電機の廣崎弘志氏、生田目祥吾氏、前川倫宏氏が受賞した。
また、優秀賞は、『重電部門』の「原子力分野でのマルチフィジックスシミュレーションの活用」で東芝エネルギーシステムズの中田耕太郎氏、『ものづくり部門』の「家電製品に向けたセルロースファイバー成形材料の開発」でパナソニックの浜辺理史氏、今西正義氏、西野彰馬氏が受賞した。
「カドミウムフリー電磁開閉器の開発」は、アーク遮断方式を改善して接点近傍に磁性体板を配置し、その磁性体板の適切な位置に切欠きを入れることで導体やアーク自身を流れる電流により生じる磁場の分布を制御し、アークに作用するローレンツ力を強化した。これにより、カドミウムに頼らなくてもアークを引き延ばして分断し、遮断する能力を従来に比べて20%改善。同時に高効率なアークガス排気構造を考案し、アークを冷却する能力を従来の7倍に強化して筺体の熱損傷を改善している。
なお、表彰式は新型コロナウイルスによる感染拡大の観点から、20年10月に延期した。