富士キメラ総研は、自動運転システムなど車載電装システムの世界市場を調査し、2019年は低い伸びにとどまるが、中長期的にはHV・EVシステムや自動運転システムの普及により大幅な拡大が予想されると発表した。
19年の市場は中国の需要が低調であったため低い伸びとなり、パワートレイン系が7兆9659億円(前年比3.6%減)、HV/PHV/EV/FCV系が2兆7589億円(22.3%増)、走行安全系が4兆3365億円(0.4%減)、ボディ系が2兆8636億円(3.0%減)、情報通信系が6兆9696億円(0.3%増)で、合計24兆8945億円(0.5%増)となる見込み。
中長期的には堅調な拡大が予想され、2030年には、特にHV/PHV/EV/FCV系が大きく伸長し18兆775億円(18年比8.0倍)と予測。走行安全系も自動運転システム、ADAS、ドライバーモニタリングなどの伸びが大きくなるとみられ、8兆1113億円(86.3%増)の見込み。全体では48兆9120億円(97.4%増)と予測される。
ADASシステムは、各国が衝突安全防止機能の搭載義務化を進めていることや、搭載車の増加によりシステムの低価格化が拡大を後押しするとみられ、30年には1兆3037億円(2.5倍)が予測される。
自動運転システムは、20年にレベル3車が量産化され、25年ごろにレベル4車が投入されると予測。21年ごろにはMEMS式などの安価なLiDARが採用され始めることからシステムの低価格が進み、搭載車両は大幅に増加していくとみられ、30年には2兆2781億円(464.9倍)と予測。