横河電機は、バイオ研究分野向けに、1細胞単位で目標の箇所に遺伝子や薬剤等の直接注入や細胞内物質の吸引を行うSingle Cellome Unit(シングル・セローム・ユニット)「SU10」を開発、3月18日から国内での発売を開始した。米国やその他の地域も順次発売する。
従来は、先端の外径がマイクロメートルレベルのピペット(一定容量の物質を吸注入するための管)で注入・吸引が行われていたが、SU10は先端の外径が数百ナノートルメレベルと、バイオ研究分野では最小クラスのナノピペットを採用。これにより、低侵襲性を実現し、生きた状態での1細胞解析が可能となる。
また、ベテランの研究員が手動で行っていた細胞表面の検知や細胞への穿刺、注入・吸引、抜去等の一連の動作の自動化も実現。生きた状態の細胞に対して容易に作業を行うことができる。
同社は今後、開発中のマイクロピペットを採用した1細胞解析装置などラインアップを拡充し、これらの装置を活用したサブスクリプション型のソリューションサービスの提供も視野に入れ、ライフイノベーション事業の拡大を図る。