NECは、国土交通省が実施した「遠隔操縦における作業効率向上に資する技術(無線通信技術、映像処理技術)」の技術検証に参画し、建機の遠隔操縦で同社の適応遠隔制御技術を使うことで従来の制御技術より優れた作業効率が実現できることを実証した。
実証は、国土交通省九州地方整備局九州技術事務所が実施。2019年10月に長崎県の同省雲仙復興事務所の作業現場(水無川1号砂防堰堤内上流)で、重機(バックホウ)に設置されたカメラの映像を約100m離れた場所にある遠隔操縦室に無線で送り、その映像を見ながら土砂掘削の遠隔操縦を行った。
同社の適応遠隔制御技術は、通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像配信と制御ができる技術。映像配信の遅延を予測して安定した映像を伝送でき、建機操作コマンドの到達遅延も予測し、操作の行き過ぎの発生を抑制することもできる。
実証結果は、従来技術参考値の640px×480pxと比較して750px×700pxと受信側の解像度が向上したほか、映像の安定性:伝送遅延時間も従来技術参考値の500msと比較して328msと向上、映像の乱れ・コマ落ち・ノイズも発生しなかった。作業効率性は30立方メートル当たりの作業時間は、従来技術参考値の60分と比較して25分33秒と約2.3倍に向上した。
同社は今後、適応遠隔制御技術のNETIS登録を進めていく。