NECと建設・IT関連企業で構成するワーキンググループは、5Gを活用した建設現場の安全性向上の第一弾として、高所作業時の墜落防止に必須である安全帯の使用を促進するシステムを共同で開発した。
同システムは、墜落を防止する安全帯の使用状況を改善するもの。高所作業場所にサインビーコンを設置し、作業員のヘルメットには振動ビーコンを取り付けて、作業者が所定の高所エリアに入ると振動によるアラートで安全帯の使用を促す。また安全帯のフックにはセンサを取り付け、フックを掛けることでアラートは停止する。フックの使用状況や作業員の位置情報は無線ネットワークによって常時サーバに送られるため、現場責任者は管理画面で安全帯の使用状況をリアルタイムに確認でき、蓄積されたデータを用いて作業場全体の安全帯使用状況を分析することもできる。
実証実験は、2020年3月にNECネッツエスアイの研修施設内の鉄塔を用いて行われ、アラートによる作業員への安全帯使用の通知や、無線ネットワークを通じた使用状況の確認やデータ化などに成功した。建設ワーキンググループに参加している錢高組からも「今回の実証でICT活用による墜落事故防止の可能性が見えてきた」という評価を得た。