物流・搬送用 5倍の成長率見込む
富士経済は、単純労働や身体的負荷の大きな作業を代替し、人の補助として活用される業務・サービスロボットの世界市場を調査し、「2020 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2 業務・サービスロボット市場編」をまとめた。
業務・サービスロボット世界市場は、19年は1兆9819億円で、25年には2.3倍となる4兆6569億円まで拡大するとしている。
業務・サービスロボットは、医療・介護用、家庭用、建設・レスキュー・インフラ点検用、物流・搬送用、オフィス・店舗用、その他の6分類され、19年時点で最も大きな市場となっているのが、お掃除ロボットやスマートスピーカー、コミュニケーションロボットなど家庭用ロボット。19年の市場規模は1兆1075億円となっている。
次いで大きいのが手術支援やリハビリ、介護用パワーアシストスーツなど医療・介護用ロボットの1993億円(前年比15.9%増)、AGVやデリバリーロボットなど物流・搬送用ロボットが1647億円(4.9%増)となっている。
25年には、家庭用ロボットが2兆2901億円(19年比2.1倍)と最も大きく、物流・搬送用ロボットが高い成長率で伸びて5.1倍の8339億円、医療・介護用ロボットも3.3倍となる6510億円になると見込まれている。家庭用ロボットはお掃除ロボットやスマートスピーカーのメーカーと機種が増えて廉価版も出てきたことから普及が進み、今後も拡大傾向へ。
医療・介護用ロボットは19年時点では手術支援ロボットが中心だが、アシストスーツがリハビリや介護支援などで急拡大が期待される。物流・搬送用ロボットは、EC市場の伸長と人手不足を背景に大きく伸びると見られている。またその他に含まれているドローン・無人ヘリは、空撮業務を中心に、農薬散布や構造物点検などの用途ですでに採用されており、順調な伸びが予想される。
さらに、ソフトウェアロボットとも言われるAIやRPAについて、19年は18年比31.2%増の8865億円。特にRPAは大手企業での導入が進んだ。25年には5.3倍となる4兆6968億円まで拡大すると予想され、20年以降に市場に出てくると言われる自動運転支援のレベル3製品が市場を活性化する。今後RPAの中堅企業や地方企業への普及も追い風になるとみられている。