オムロンは、検査対象物の傷やダコンなどのサンプルによる学習をせずに、不具合を認識する欠陥抽出AI技術を搭載した画像処理システム「FHシリーズ」を、7月1日からグローバルで順次発売開始した。
新製品は、熟練検査員の経験などによる検査を再現できる画像処理システムで、人のような「感性」で傷を発見することを可能にしている。検査員がノウハウとして持つ「背景状の違和感を欠陥とする見方」をAIで技術化、画像フィルタとして搭載し、傷とノイズの区別がつきにくい複雑な背景でも、傷のサンプルや調整なしで欠陥を検出することができる。
また、ベテラン検査員が持つバラツキの許容ノウハウをAIで再現し、調整ノウハウを自動化することも可能。「AIファインマッチング」によって、良品状態の画像データを学習することで、通常は長い年月をかけて習得する「検査に関する技術やノウハウ」を短期間で獲得することが可能となる。
さらに、本来は導入のために特殊な環境の構築を必要とするAIを軽量化することで、既存の画像処理システムへの搭載を実現。AI専用のハードウエアやエンジニアがいなくても、製造現場での立ち上げや調整ができるようになった。