東日本大震災翌年とほぼ同等
日本機械工業連合会は、2020年度の機械工業の生産額見通し調査の集計結果を公表した。
20年度は65兆3704億円となる見通しで、13年以来の70兆円割れとなる。リーマンショック翌年の61兆円は上回るものの、東日本大震災翌年の生産額とほぼ同等にとどまる見込みだ。
20年度の機械工業生産は、新型コロナウイルス感染拡大によってリーマンショック以来の厳しい状況になる見込み。
上期は特に自動車を中心に輸送機械の生産が大きく減少し、全体の生産額は前年度15.3%減と予想。
一方、下期は自動車の回復と、5G向けをはじめとした情報通信機械、電子部品・デバイスの生産増加が期待されるが、前年度比5.5%減にとどまる見通し。通期では10.4%減の65兆3704億円になると見込んでいる。
一般機械は、6.3%減の14兆1833億円となる見通し。半導体製造装置およびFPD製造装置は、高水準の生産が続いており、半導体製造装置がロジック、ファウンドリー向けで横ばいを見込むもののメモリ向けで増加、FPD製造装置はG10.5世代のTV用の需要増により、7.9%増加の2兆7511億円の見通し。
金属工作機械は、国内外共に自動化、省力化のニーズは高いものの、大口の自動車向けをはじめ、多くの需要先で設備投資が厳しいと見込み、23.1%減の7600億円。
ロボットは、省力化等による産業用ロボットへの関心の高まりは続いているものの、国内外共に投資の先送りや自動車向けの低調が続くと見込み、8.4%減の7000億円となっている。
電気機械は、0.1%減の7兆6686億円となる見通し。回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置のうち、交流電動機は国内設備投資向けが回復、サーボモータは半導体や電子部品関連向けで増加。
電力変換装置は、太陽光向けパワーコンディショナが輸出向けを中心に回復し、サーボアンプは半導体や電子部品関連向けの回復を見込み増加。閉鎖形配電装置は引き続き首都圏再開発により増加。
プログラマブルコントローラが中国を中心とするアジア向けで減少が続くものの、電磁開閉器や電磁リレーは国内向けで回復を見込み、監視制御装置は国内製造業向けが減少を見込んでいる。
しかし一部品目では新型コロナウイルスの影響が考慮されていないものもあり、先行きは不透明となっている。