矢野経済研究所は、5G関連デバイス世界市場を調査し、2020年の世界市場規模は11兆889億円と予測した。20年は5Gサービスの本格展開が見込まれたが、新型コロナウイルスの影響を受けて設備投資が遅れた。それでも大手通信キャリアの意欲は高く、これ以降は22年に21兆5469億円、30年には69兆5930億円まで拡大すると予測している、
5Gは高速・大容量・低遅延・多数同時接続の特徴が言われるが、実際にはアプリケーションごとにそれらの特徴の生かし方は異なる。現在でもWi-Fiや4G・3G回線を使ったスマートメーターやスマート農業、工場などでのIoT化や、小売業や流通業などでのRFIDによる自動化、LoRa WANを活用したさまざまな産業へのアプローチなどニーズは広がっており、5Gでは接続可能端末数が増加できることによって、さらにこれらの分野で盛り上がりを見せる。
普及の初期段階は3〜6GHzの周波数帯を使ったサービスが展開され、他の無線システムと同じ領域のため活用は限定的にならざるを得ないが、国内では既に28GHz帯の割り当てが予定され、39GHz帯、60GHz帯などにもシステム構築の見通しがあり、より普及が広がるだろうとしている。
またレポートでは、注目トピックとして5G後の次世代通信規格「ビヨンド5G」についても触れている。5Gで高速大容量化して多点接続となっても、データ需要が大幅に増加するとネットワークの負担が大きくなる。そのため早い段階でビヨンド5Gへ動き始める必要があり、既に研究機関やネットワークベンダーでは技術開発が進んでいる。
国内のワーキンググループでは、ビヨンド5Gは、テラヘルツ帯の利用、伝送速度は5Gの10倍となる100Gbps以上、遅延は1msec未満でほぼゼロ遅延、接続密度が1平方キロメートルあたり1000万台が目安とされているという。
▼5G関連デバイス世界市場規模予測