NECは、ロボットのティーチング作業を自動化するAI技術「目標指向タスクプランニング」を開発した。
ロボットに作業させるには、一般的には専門家によるロボット動作のティーチングが手動で行われ、物品の整列や箱入れなどのロボットにとって複雑な作業は、作業手順とロボットの動かし方を最適化するための試行錯誤を行い、作業設定に数時間程度かかることが多い。
今回同社が開発したAI技術は、例えば「複数の部品を棚上のトレイに仕分ける」という作業目標を指示すると、バラバラに置かれた部品を適切な順序でピックアップし、棚にぶつからずにトレイに運ぶよう作業手順とロボットの動かし方を自動で最適化する。専門家が人手で2〜3時間かけていたティーチング作業が、同AI技術によって自動で数分程度に短縮が可能となる。
また、ロボットを設定する際に、関係ない部材の混入や例外が発生しないよう周辺環境を整えたり、さまざまな状態を想定した作業手順を事前に設定する必要があるが、同AI技術は設定外のことがあっても、作業目標の達成に向けた手順をその場で自動的に設定し直すことができる。このため、作業変更や作業環境が変化しやすい現場でも容易にロボットの導入が可能となる。