川崎重工業とデンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機の国内ロボットメーカー6社は、産学連携で産業用ロボットの基礎技術研究を行う技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構(ROBOCIP、ロボシップ)を設立した。
未活用領域の実用化狙う
産業用ロボット市場は、自動車や電機・エレクトロニクス産業で導入が先行し、近年は労働力不足を背景に食品加工や物流などサービス分野にも広がり、市場拡大が急ピッチで進んでいる。しかし次世代の産業用ロボットに向けた基礎技術研究では未知・未解明な領域が多く存在し、さらなる裾野の拡大と研究の深化が求められている。また研究に携わる人材の育成も喫緊の課題となっているが、メーカー単体では基礎技術研究に割けるリソースは限定的となっていた。
それに対しロボットメーカー6社は、それらを共同で行える基盤としてROBOCIPを設立。各社が連携することで単独で行うよりも研究規模・内容を拡大・深化し、SDGsにのっとった技術革新の基盤の強化を目指す。また産学連携して研究を進めることで、知識の共有化を図る。
研究内容は「モノのハンドリングおよび汎用動作計画に関する研究」「遠隔制御技術に関する研究」「ロボット新素材とセンサ応用技術に関する研究」の3つ。多品種少量生産現場などロボット未活用領域でも対応可能な産業用ロボットを実現するための要素技術の確立を目指し、各研究項目で得られた成果に基づいて実現場を模した環境での実証試験を行うとしている。
組織の正式名称は、技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構。略称はROBOCIP(ROBOT Industrial Basic Technology Collaborative Innovation Partnership、ロボシップ)。東京都港区に拠点を構え、理事長はファナックロボット事業本部技監の榊原伸介氏が務める。
研究の実施期間は2020年度から24年度までの5年間となる。