自動化計画など再始動見込む
グローバルインフォメーションが取り扱うInteract Analysisの市場レポート「産業用ロボットの世界市場:2020年」によると、世界の産業用ロボット市場は、2018年半ばからマイナス成長が続き、2019年末に回復の兆しが現れたが、20年はコロナ禍で売上はマイナス3.6%、出荷台数は3.7%とともに減少となる見込み。しかし21年には遅れていた自動化計画やプロジェクトが進み、強いV字回復が予測される。
また協働ロボットは、2020年を通して売上高と出荷台数の両方で2桁の成長率を維持すると予測。非製造業環境(物流やサービス業など)での用途は、より大きな打撃を受けるが、回復も早いと推測される。さらに、多くの協働ロボットメーカーはアジアに集中し、他市場の競合他社や顧客よりも危機を乗り切ることが予測される。
地域別では、欧米は20年第1四半期に急落し、多くのメーカーが10%以上の減収となった。現地生産が操業停止の影響を大きく受け、第2四半期にはこの傾向がさらに深まる。日本、中国、台湾などアジアのロボットメーカーの業績は、3月、4月と予想外に好調だった。アジアのサプライヤーは、欧米のサプライヤーが生産を停止する中、新規顧客から受注している。それでも20年後半の見通しは慎重で、全体的な成長率も楽観視していない。
産業別では、自動車業界は大打撃を受けたが、生産関連の新規投資の多くが新エネルギー自動車(主にカーエレクトロニクスとリチウムイオン電池の生産)に集中している。半導体のような高度に自動化されている産業は、コロナ禍によるロックダウンの影響をあまり受けなかった。多くの産業で重要なコンポーネントをローカルで製造可能にするためにサプライチェーンの再調整が検討され、同時に自動化レベルを高めることにも目を向けると思われる。これらは産業用ロボットの長期的な成長を強力に促進すると思われる。
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