コロナ影響 21年には回復基調へ
国際ロボット連盟(IFR)は2019年の世界の産業用ロボット出荷台数は前年比12%増となる37万3000台となり、現在270万台の産業用ロボットが工場で稼働していると発表した。
さらに今後の見通しについて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年は下がり、21年に回復基調にもどるが、18年や19年のレベルに達するには22年や23年までかかりそうだとしている。
出荷台数1位は中国、日本2位
地域別の状況について、アジアは、出荷台数の第1位と2位の中国と日本がマイナスとなったが、依然として産業用ロボット最大の市場で世界の出荷台数の3分の2を占めている。
中国が14万500台で世界トップ。日本は4万9900台で第2位。以下、韓国が2万7900台(第4位)、台湾が6400台(第8位)、インドが4300台(第10位)、タイが2900台(第13位)となり、出荷台数トップ15国のうちアジアが6カ国ランクインしている。
国内の稼働台数でも中国が78万3000台で世界トップ。日本が35万5000台で続く。トピックスとしてインドの動きが目覚ましい。2万6300台のロボットがインド国内で稼働し、5年以内で2倍まで引き上げた。
また中国国内の状況について、安川電機やファナック、ABB、KUKAなど中国以外のメーカーからの出荷が71%を占めた。19年は73%だったことから、中国メーカーがじわじわとシェアを拡大してきている。
ヨーロッパでは、出荷台数ではドイツが地域内トップの2万500台(世界では第5位)。以下イタリア1万1100台(世界6位)、フランス6700台(世界7位)、スペイン3800台(第11位)、ポーランド2600台(第14位)、チェコ2600台(第14位)と続き、イギリスは2000台だった。
南北アメリカ大陸では、アメリカが史上2番目の出荷台数となる3万3300台を記録し、世界第3位。メキシコが4600台で第9位、カナダが3600台で12位だった。アメリカは有力なロボットメーカーこそ多くないが、力を持ったシステムインテグレータによって導入が進み、稼働台数は29万3200台に達している。南米ではブラジルが1800台と地域内トップだった。
協働ロボットは1万8000台
また、ロボットメーカーの増加やアプリケーション範囲の広がりを背景に年々需要が拡大している協働ロボットについては、19年は世界の産業用ロボット出荷台数37万3000台の4.8%となる1万8000台が出荷された。