キユーピー 惣菜盛り付け作業ロボット化へ、低コストで実現目指す

キユーピーは、日本機械工業連合会(日機連)が公募する「令和2年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択され、食品分野での惣菜の盛り付け作業のロボット化を低コストで実現するプロジェクトに取り組む。

 

導入が進まない理由

同社のマヨネーズやドレッシングといった調味料の工場では早くから機械化が進み、工場内の作業者の数は抑えられている。一方で惣菜工場では、盛り付け作業をするために多くの人手が必要で、ベルトコンベアを囲んで多くの従業員が、24時間交代制で働いている。

同社によると、惣菜工場の機械化が進まない最大の要因は「導入コストの高額化」で、個別のニーズに合わせたロボットを導入しようとすると膨大なコストと時間がかかることから機械化・自動化が阻害されている。

惣菜に求められる、見た目や重量といった盛り付けの基準が非常に高く、人が行う高度な盛り付け作業をロボットに置き換えることが非常に困難であることも大きいという。

ポテトサラダの製造工程と作業人員比率(%)

 

来年3月までに仕様決定

同社が目指すのは「低価格でのロボット導入」。そのためのステップとして、21年3月までに仕様と構想設計を決定する。小売事業者と連携して惣菜の盛り付けに関する仕様を緩和して「盛り付け方式の仕様」を決め、次いでそれにもとづく製造ラインの構想設計、アーム型ロボットの仕様を決めるとしている。

21年4月以降は、実際の惣菜工場での実証システム構築に取り組み、23年には業界全体へ普及させたいとしている。

またロボット導入に加え、運用最適化の検討も同時に進める。具体的には、AIによる需要予測と協調領域データレイク検討、量子コンピュータによる高速シフト計算検討、商品マスターとMES連携など。

プロジェクト参画パートナーは以下の通り。アールティ、エクサウィザーズ、FAプロダクツ、グルーヴノーツ、芝製作所、旬菜デリ、TechMagic、デリア食品、トウ・ソリューションズ、日本電産、ファミリーマート、マックスバリュ東海。

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