キムラ電機(東京都品川区)の業績が好調に推移している。IoT化の中核を支える5G通信基地局に関連した売り上げが堅調であることや、海外向けのプラント関連の投資も活発に動いていることが大きな要因。
同社は2020年3月からの5カ年経営計画をスタートしており、初年度の21年2月期は売り上げを、前期比3.7%増に設定している。
新型コロナウイルス感染症の影響が日本経済全体に大きなダメージを与え、各企業の業績も前年同期に比べて大幅に減少しているところが多い。
同社は、電力やビルなど受配電機器関連や鉄道、プラント関連、さらには情報通信関連向けを主なターゲット市場として展開している。19年は、東京オリンピック・パラリンピック関連や大都市圏を中心とした再開発投資が活発であったことから、20年2月期決算は増収増益となった。
今年に入ってからは5G通信の本格普及を背景に、携帯電話の通信基地局の増設を追い風にした端子台の販売が好調な伸びを示している。加えて海外向けのプラント設備向けに表示灯やアナンシエータの売り上げも伸長しており、「前年度に比べて数字が大きく伸びているわけではないが、今年8月の中間期では受注が前年同期比105%、売り上げが同103%となって、コロナ禍の中でほぼ計画通り展開できている」(藤岡利之社長)。
同社は現在、21年前半の完成を目指して紙の総合カタログの全面改定を進めている。ページ数は300〜400を予定しているが、ページ数が多いことに加え、前回の発行からかなり経過していることで、掲載製品や種類、写真なども大幅に変更になる。
藤岡社長は「ネットで簡単に製品が検索できる時代であるが、紙のカタログの良さもある。顧客からの紙のカタログを求める声がまだ多いことから改定して発行することにした」と語っている。