GII市場リポート 無人搬送車市場、25年 36億ドルに成長

マテハンの自動化需要増など

グローバルインフォメーション(GII)が取り扱うMarketsandMarketsの市場レポート「無人搬送車(AGV)の世界市場(〜2025年)-COVID-19の影響」によると、世界の無人搬送車(AGV)市場は、2020年の23億米ドルから2025年には36億米ドルに達し、2020年から2025年までのCAGRは9.3%で成長すると予測している。

AGV市場の成長は、産業全体でのマテハンの自動化需要の高まり、大量生産から大量カスタマイズへの需要のシフト、COVID-19による電子商取引の需要の高まり、職場での安全基準の改善などが原動力となっている。新興国の産業成長、東南アジアにおける物流部門の存在、中小企業による産業用自動化の採用などが市場の成長を後押ししている。

自動車、ヘルスケア、電子商取引、食品・飲料業界では自動化への需要が高まっており、AGV対応の産業設備の自動化は、生産時間の短縮、ヒューマンエラーの低減、安全性の向上、大量生産の確保、精度と再現性の向上に加え、マテリアルハンドリング能力に関連する要件を満たすのに役立つとされる。AGVを使用することで原材料のジャストインタイム納入、組立部品のコンピュータ制御、出荷品の追跡などが可能となる。

一方でAGVの設置には莫大な費用が必要となる。コストの高さからユーザー企業はハイエンドのAGVを選択できず、小規模企業も従来の手動式のフォークリフトトラックを選ぶことになると予測。AGVの維持コストも市場の抑制要因となっている。

例えば、製造業、化学工業、建設業などで使用されるAGVはメンテナンスコストが高く、さらに、高額な設備投資と長い投資回収期間のため、自動化ソリューションに投資することは企業の負担となる。AGVの平均的な回収期間は通常3年から5年で、高い費用負担と長い回収期間が投資を難しくしている。

 

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