ASPINA/シナノケンシは、小型人工衛星向けの姿勢制御に用いる基幹部品として「リアクションホイール」の開発に取り組み、民間による小型人工衛星市場へ参入する。2023年に実証実験を行い、27年に世界で新規に打ち上げられる小型人工衛星への採用数10%を目指す。
小型人工衛星市場は、通信サービスや、災害や自然環境、農業など地球観測での活用を見据えて地球の低軌道上に複数打ち上げる計画が立てられている。宇宙ベンチャーなど多くの民間企業が参入しているが、衛星の構成部品のコスト高が課題となっている。
そこで同社は、これまでのモーター関連技術を生かし、人工衛星の姿勢制御用部品であるリアクションホイールを開発し、低価格・短納期での提供を目指す。小型人工衛星では、カメラ撮影や地上のアンテナとの通信のため振動レスの安定した姿勢制御が必要とされ、リアクションホイールはそのためのコア部品となる。
この取り組みはNEDOの2020年度宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(ベンチャー企業等による宇宙用部品・コンポーネント開発助成)として、「小型衛星市場の拡大に向けた低コスト・短納期の国産リアクションホイール開発」のテーマで採択されている。
また開発にあたっては小型人工衛星メーカーであるアクセルスペースをパートナーとして協業し、宇宙向け製品特有の試験や打ち上げ実証実験を行っていく。