矢野経済研究所は、2020年の小型モータ・産業用モータ世界市場の出荷動向について、2020年はコロナ禍の産業全般の生産落ち込みにより小型モータ世界出荷数量は前年比6.3%減の62億3219万個と発表した。21年から回復し、22年には65億900万個になると予測している。
車載向けを除いた20年の小型モータ世界市場規模は、新型コロナウイルスの影響でPCや通信関連機器、医療機器向けのモータ需要が増えているが、グローバル経済の低迷により産業全般の生産が落ち込み、小型モータ市場も減少する見込み。アプリケーション別では、これまで好調だった家電・住宅設備機器、産業機器関連の需要が大きな影響を受け、前者は消費者の収入減による消費金額が減少し、後者は各産業における設備投資が減少や先送りされる状況となっている。
今後の見通しについて、出荷数量は2021年から徐々に回復して微増で推移する見通し。22年の小型モータ世界市場規模は65億900万個になると予測する。ブラシ付きDCモータ(コアレス)、ACインダクションモータは今後も減少傾向だが、その他のモータは落ち込み率が徐々に改善する見込みでとしている。
日系メーカー各社は、従来のアプリケーションの他に、拡大傾向にある車載向けや産業機器向け、医療機器向けなどに注力する動きを見せている。これらのアプリケーションは複数種類のモータの組み合わせによって最適なモーションを求める傾向があり、一種類のモータではなく、複数種類のモータならびに周辺部品なども含めたユニット製品として提案することが有効となる。今後は海外モータメーカーを含めた競争が今後さらに激しさを増す見通しで、もう一段上のものづくりを目指すことが世界を舞台とした生き残りを図る上で、より重要度を増しているとしている。