サンワテクノスは、国内の中・小規模の都市で営業社員数人程度の「マイクロ営業所」の開設を進める。年内に長岡(新潟県)、甲府、金沢などで設置を予定しているほか、来年以降は東北地方でも検討している。地域、顧客に密着した営業体制を構築するのが狙い。
同社は2019年7月、マイクロ営業所の第1弾として愛媛県新居浜市に四国営業所を開設した。常駐の社員は2人で、受発注・納期管理は大阪支店がリモートで対応している。18年から構築を進めてきた社内のITインフラ「SIS2018」を活用しており、現地の顧客密着で信頼度と満足度が向上し、出張の減少に伴う経費削減効果にもつながっている。
また、コミュニケーションツール「Teams(チームズ)」を活用して、社内、および仕入先・販売先との打ち合わせにも活用。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが進む中で、愛媛県や香川県で顧客に密着したサービスを提供しながら、徳島県、高知県への営業範囲拡大を目指している。
コロナ禍で顧客への訪問が制約される中で、「マイクロ営業所の開設は、中・小規模の都市の優良顧客と『新しい密』を構築することで、新たな需要を開拓していく」(サンワテクノス田中裕之社長)。
同社は国内に21カ所の営業拠点を有するが、マイクロ営業所の開設を予定している県には拠点はない。また、東北は仙台に営業所がある。
田中社長は「四国営業所はICTを活用することで、地域・顧客密着を低コストで実現できる新しい取り組みとして成果が出ており、ニューノーマルな働き方改革への対応とも合わせ、さらに増やしていきたい」と語っている。