スイスのビジョン・ARテクノロジー企業のScanditが、日本市場に本格参入する。
日本法人の事業責任者を務める関根正浩氏は「ハードウエア型スキャナーをScanditに切り替えると、世の中のすべての商品に貼り付けられているバーコードをDXの起点にできるようになる」としている。
キャッシュレス・業務効率に商機
同社は2009年創業でスイス・チューリヒに本社を構える。コードリーダなどソフトウエア型自動認識メーカーで、スマートフォンやタブレット、ヘッドマウントディスプレイなどに同社のソフトウエアを組み込むことで、バーコードリーダーやハンディターミナルなど専用端末を使うことなく、自動認識ソリューションが実現できるようになる。
バーコード読み取りのほか、文字認識(OCR)、物体認識、AR等の機能を提供し、専用端末同等以上の高速・高精度の読み取りができるとし、製造業や運輸・物流、小売・流通、ヘルスケアを中心に、すでに世界では1000社以上が導入して使っている。
日本市場への進出理由として、GDP世界第3位で、小売では世界第2位の規模があり、キャッシュレス化、コロナ禍による非接触、人手不足による業務効率化などが進み、ビジネスチャンスがあるとし、特に運輸・物流、小売・流通を中心に、製造業、ヘルスケア業界等に注力するとしている。
同社の技術の導入事例として、イオンリテールが2019年からはじめた「レジゴー」がある。店舗が買い物客にスマートフォンを貸し出し、客は買うものをバーコードで読み取りながら買い物をし、最後は専用支払いレジでQRコードを送信して決済する。客はデジタルを活用した楽しい買い物体験ができ、かつレジに並ぶストレスがなくなって満足度向上につながる。さらに、レジゴーを使うと通常の買い物よりも購入点数が+2点、平均単価500円増になるという結果が出ており、店舗の売上向上にも効果がある。
イオンリテール 山本実執行役員 システム企画本部長は、レジゴーの実現はScanditの高い読み取り技術がなければ実現できなかったと高く評価している。