トプコンと大和ハウス工業は、建設現場の全行程をデジタルデータで一元管理し、生産性向上を実現する「デジタルコンストラクション」で協業に合意し、10月に竣工したトプコンオプトネクサスの光学部品工場(福島県田村市)の建設で両社の先進技術を使って生産性の大幅向上を実現した。
光学機器メーカーのトプコンは、建設業向けには3次元計測機や建機を自動制御できるICT自動化施工システム等のソリューションで、建設工事のワークフローを一元管理する「建設工事の工場化」を進めている。
大和ハウス工業は、建築の工業化、システム化を目指し、2017年にBIM推進室を設立して設計のBIM化を図り、2020年10月からは全国10カ所の事業所に、戸建住宅の施工現場を遠隔管理できる「スマートコントロールセンター」を設置するなど建設工事の完全BIM化を進めている。
今回の協業では、両社が保有するバーチャルな空間で設計・施工の工程管理を行うBIMとデジタル測量システム、ICT自動化施工技術を融合させることで建設工事の生産性向上と、3次元のデジタルモデルにコストや仕上げ、管理情報などの属性データ「デジタルエビデンス」を付与して先進的な建設工程の実現を目指す。25年までに建設業の生産性20%向上を目標とする。
すでにトプコンオプトネクサスの先進的光学部品工場(福島県田村市)の建設で実践しており、測量では3次元デジタル測量機を使った墨出し、施工ではICT自動化施工システムによる作業のプロセス管理と品質の均一化、検査では3次元レーザースキャナーによる品質チェックを行い、デジタル基盤上でデータを管理・活用できる。