不二電機工業 八木達史 代表取締役社長
2020年は、コロナ禍で営業活動が難しく、受注先送りも出てきている。それでも国内は前年より若干のプラスとなった。海外は6割にとどまっている。
製品では、スマートソリューション部が扱う太陽光発電システム向けの接続箱が順調だ。電力関連では省人化・省力化のシステム製品に取り組み、メンテナンスフリーの半導体スイッチの引合いが増えている。公共・民需向けではスマートメーターの取替時に、通電したまま取り替えられ省力化となる無停電コネクタのラインナップを強化している。鉄道関連も新製品としてマスコンに使われるデバイス、乗降の半自動ドアの押ボタンスイッチを投入し、受注も入っている。
21年2月から3年間の中期経営計画をスタートする。デジタル化で仕事のやり方そのものを変え、効率的に行える雰囲気を作っていく。組織の活性化と将来に向けたタネを作ることを目的に、技術部と営業部に横串を刺した「企画開発CFT(クロスファンクショナルチーム)」を新年度から設ける。将来の製品戦略だけでなく、まったく新しい製品の企画から設計、製造、販売までを育てる活動を進める。
また、みなみ草津工場の生産性向上に向け、標準品のカムスイッチのうち70%の組み立て指示書にタブレットを活用し効果が上がっている。さらに運用開始間もないが、組立現場と倉庫間にAGVを活用しており、効果が確認できれば他の工場にも展開を考えている。早くから展開しているネット販売も、強化していきたい。
今年も、電力と鉄道を中心に取り組むが、特に鉄道はまだシェアアップできる市場だ。展示会は、JECA FAIRと鉄道技術展、独の「イノトランス」は出展の予定だ。営業も展示会もリアルとオンラインのハイブリッドで活用していきたい。