【各社トップが語る2021】本多通信工業「VUCA時代に持続的成長」樫尾欣司 代表取締役社長

本多通信工業 樫尾欣司 代表取締役社長

 

2020年11月、前社長の死去で社長に就任した。1932年の創業から88年が経過し、今後100周年に向けた持続的な経営を任され、責任の重さを感じている。21年3月期の業績は、新型コロナの影響で車載とFAが大きく落ちこんでいる。しかしいまが底であり、今後は右肩上がりでいけると思う。
 
VUCAの時代到来で、想定外への対応や責任ある決断が求められ、スピードある商品開発と人材力強化が持続的成長のベースとなってきている。そこで、新規案件や新商品開発では、営業と設計がタッグを組み、コロナ禍でもあることからWEBを活用して進めている。また、商品開発体制/プロセスの見直しを行い、試験/評価設備ではソサエティ5・0実現の課題になると考える〝ノイズ〟についての評価を強化している。  
一方人材力強化に向けては、心と体の健康を重視し、健康経営優良法人の認定を目指す。同時に、若手社員育成に向けて重要プロジェクトへの参画を促すことで仕事のハードルをひとつ上げ、その中から考え方、行動を学んでもらえるようにしたい。あわせて積極的な人事異動や社内外の研修を行っていく。
 
来年度の事業計画はこれから詰めていくが、足元の景気は着実に回復しているものの、相変わらず不透明な部分も多い。当社の事業5分野のうち、車載とニューノーマル時代でのICT活用が見込める情報システム、5Gや光回線などの投資が拡大する通信は伸びが期待できるが、中国以外は不安なFAや、コロナからの回復がまちまちな民生は横ばいで推移するのではないかと見ている。
 
製品開発は、6Gや12G対応車内LANコネクタをはじめ、車載やセキュリティカメラ向けに、セグメント№1の付加価値の高いコネクタを作っていきたい。コロナ禍の中で、新規の顧客開拓や海外市場開拓へ、WEBやホームページ活用を進める。

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