【各社トップが語る2021】安川電機「データ活用に向け開発強化」上山顕治 執行役員 モーションコントロール事業部長

安川電機 上山顕治 執行役員 モーションコントロール事業部長

 

2020年度のモーションコントロール事業は、下期に堅調さが戻り、通期では前年度比8.6%減の見通しだ。とくに中国は好調で、4月にはマスク生産設備の特需があり、瀋陽工場の生産量が過去最高を記録した。欧米はロックダウンの影響を受けたが回復に向かっている。国内もコロナ禍でお客様訪問がしづらいものの、半導体製造装置が動き、良い方向に向かっている。

「i3-Mechatronics(アイキューブ・メカトロニクス)」も、それを実現する工場として安川ソリューションファクトリが稼働を始めて2年が経過。コンセプトのうち「Integrated(統合的)」の機器・装置同士をつないで自動化することは進んできた。しかし情報を吸い上げて解析する「Intelligent(知能化)」、フィードバックから改善へとつなげていく「Innovative(革新的)」はまだ道半ばだ。いまは時系列データを解析して生産性の改善を行い、お客様向けに事例として出せるように現場で実践しているところだ。特にモータの巻線、加工工程にフォーカスし進めている。

「i3-Mechatronics」を実現する「YRMコントローラ(仮称)」は、一部のお客様にテスト的に使ってもらっている。反応は良く、21年中に正式に商品化する。サーボモータ/サーボアンプは、YRMコントローラに接続し、時系列データを取り扱える機能を盛り込んだ新製品をリリースする予定だ。Σ-7シリーズの次期サーボの位置づけとなる。

21年は、このままの状態が続けば成長が期待できる。自動化・省人化のグローバル需要は旺盛で、半導体製造装置、ロボット、工作機械、包装機械、電子部品、金属加工機の主要6市場も悪くなる要素は見えない。3月に安川テクノロジーセンタが完成し、開発部隊のすべてが集約することになる。市場の成長以上に伸ばせる技術・製品開発を進めていく。

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