イートン・エレクトリック・ジャパン
永井信彦 ジャパン・カントリーマネージャー
2020年12月期の売り上げは、前年比30%増と好調だった。UPSは外資企業のデータセンターで採用が拡大し、50%増となった。ブレーカはマーケット全体が40%ほど縮小している中で、当社は20%減で済んだ。新型コロナの影響で思うような対面営業ができなかったのが痛い。
21年は、外部要因に不安は残るが、売り上げ30%増を見込んでいる。UPSは22年まで先が見えていて、21年も受注残があり売り上げは安泰だ。日本でのデータセンター建設が継続しているが、日本は電力、治安、インフラが安定し、さらに政情不安もないことなどから、データセンターの設置場所としては理想的な環境と評価されている。他国と比較して相対的にお買い得感も出てきて、シンガポールやオーストラリアに並んで人気になっている。またデータ量の急増に対して現在の技術ではデータセンターも巨大化せざるを得ず、そうした状況がUPS販売の追い風になっている。一方ブレーカも、21年は半導体関連が動き、工作機械も中国やヨーロッパ向けの注文が増えてきて回復が期待できる。
新製品として、UPSで500kWのモジュラー型UPSを出す予定。50kVAのモジュールを足していくタイプで、故障や不具合の時に古いものを抜いて新しいものを差すだけで簡単・迅速に交換できる。また海外ではすでに販売済の小型のリチウムイオン電池タイプも投入する。
ブレーカは、工場に加え、太陽光発電システムなど再生可能エネルギー向けに、蓄電池やバッテリ、DCグリッドに合わせたDCブレーカ、コンタクタの提案を強化していく。
ドイツではDC電源を工場でそのまま使おうという動きがあり、「DCインダストリー」という団体もある。日本がどうなるか分からないが、欧州では活発になっているので、引き続き注目していきたい。