INDUSTRIAL-X SECURITY 八子知礼 代表取締役社長
2020年はなんといってもコロナに終始する1年となった。3月下旬から自動車メーカをはじめとする様々な工場で部品供給が止まったり、中国工場の稼働が止まったのは記憶に新しい。また、全世界的にサプライチェーンが破綻してしまい、中国一極集中をみなおす契機になったのは、我々Team Cross FAにとっても追い風とも言えるだろう。
しかしながら、国内に工場を戻そうとしても人材の雇用もままならぬ現在となっては、IoTによる可視化・リモート化はもちろんのこと、ロボットによる更なる自動化が必要であることは言うまでもない。Team Cross FAが9月にオープンした「スマラボ東京」が連日活況であることも、DX型ロボットジョブショップが前述のニーズに合致したコンセプトであり、実現例であるからに他ならないだろう。国内回帰を謳うならば自動化とセットで検討すべきだろう。
コロナ禍により、さまざまな産業でDXが進んでいる。巣ごもり需要で4月からの3カ月で過去10年分のEC化率と同等のEC化率の伸びを示したことが判明している。結果としてリモート化やオンライン調達・手続き・会議などが当たり前のように行われるようになったため、ホワイトカラーはオフィス縮小などに一気にシフトした。一方で製造・流通・小売の現場ブルーカラーはそのようなDXの恩恵を十分に受けることなく取り残されているのが実態だ。
DXの恩恵を受けなかった製造・物流・小売の現場を万全の制御セキュリティ対策を担保した上でリモート化・自動化するDXを推進する、これが弊社の使命であると考えている。すべての業界にDXのメリットを広く普及させ、産業構造をアップデートすることに引き続き邁進していきたい。